ファクタリングとは、企業の売掛債権を買い取り、自分でリスクを取って売掛債務を有する会社等から債権回収を行うことです。このファクタリングの経済的な側面からいうと、売掛金債権を有している企業は、弁済期まで代金が支払われないためキャッシュを手に入れることができないですし、弁済期までに売掛金債務を有する会社が倒産して回収不能となるリスクを抱えている状況といえます。この売掛金債権を有している企業としては、早くこの売掛金を回収し、自己の資金状況もよくしたいというニーズがあります。このニーズに対し、ファクタリング会社が売掛金債権を有している会社からその債権を民事上の債権譲渡を受けて、その譲渡の際にファクタリング会社が売掛金債権を有していた会社に代金を支払うということになります。

以上のような事情では、売掛金債権を有していた会社は得をしましたが、ファクタリング会社には何のメリットがあるのでしょうか。この点については、債権譲渡の際に債権売買の金額を10%程度額面の債権額より安くするということです。例えば100万円の債権を90万円で買い取るということです。実質的には10%分手数料収入を得ることができるということなのです。

なお、これは2者間で行う取引の場合ですが、売掛債務を有する会社を含めて3者で契約をする場合、この実質の手数料率が下がります。売掛債務を負っている会社に関する倒産リスクに関与することになり、2者間での契約より回収不能リスクが低減するからです。

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