医療機関が患者及びその保険者から受けとる医療費は、原則として診療報酬によって決められた額です。この受けとることができる権利すなわち診療報酬債権を持って担保とし、巨額の資金を集めて設備投資を行うことがよくあります。診療報酬債権は、そもそもすぐに現金として受けとれる部分が患者からの自己負担だけです。残りを受けとるためには、審査がありその審査を経てからの受給となっています。

したがって、医療を提供してもすぐにはお金にすることができません。この診療報酬債権を持って資金を借り受けるための担保とし、ファクタリングの利用が行われています。医療機関ではその設備投資に莫大なお金が必要になってきます。ファクタリングであれば、貸す側にとっては回収の見込みが立ちやすいことから、積極的にファクタリングを促すところもあるほどです。

無論、人口減少の時代ですから、返済が長期にわたるような場合には、貸し出しを躊躇することもあり得る時代ではあります。今後、日本では人口減少時代になっていきますので、患者数の減少が見込まれます。医療機関で巨額の資金が必要になる場合でも、患者数が少なくなるかもしれないということで審査が厳しくなる可能性があり得ます。好条件で貸し出しをしてくれるかどうかは不透明です。

しかしながら、その地域で一定の需要が見込めれば、今後も貸し出しを行う続けていくことでしょう。医療機関側も返済の見込みと今後の収支について、厳しいチェックが行われる可能性があるため、健全な経営が必要になっていくのは明白です。

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